離婚後うつに陥った筆者が、経験を基に、死にたいという感情に向き合いました。
今まさに、辛くてどうしようもないというあなたは、この記事をご覧になってください。
救いになるかどうかわかりませんが、私の伝えたい精いっぱいを文章に託しました。
離婚後にうつ病が発症しました
元々、ストレスは強かったほうです。
仕事が主因ですが、離婚前の生活も、ストレス源として無視ができませんでした。
妻と子供と3人暮らしで、子供は3歳。保育園に通っていました。
妻はSEで、折しもリモートワークの普及していた時分、フルリモートワークで家にいました。
妻との仲がギクシャクし始めたのはその頃です。
私自身もリモートワークで自宅勤務でしたが、住居環境の都合で、仕事部屋が一部屋しかなく、同じ空間で仕事をしていたのです。
妻は一日中会議用にZoomを繋ぎっぱなしで、ひたすらしゃべりながら仕事をします。
それだけならよかったのですが、仕事に関係ないような話や議論まで持ち出し、うるさいことこの上ないと感じてしまいました。
思えばそこで「静かにしてくれ」と一言告げればよかったのですが、いつかわかってくれるだろう、と野放しにしたのが間違いでした。
結局、すれ違いの溝が埋まらず、妻は子供をつれて半ば強引に別居、流れるように離婚に至りました。
それだけならまだしも、離婚後、元妻は、リモート会議で議論に花を咲かせていた、彼女の会社の上司と交際することになったのです。(後に結婚話に進んでいます)
しかも、件の元上司は、私の知り合いでもあります。友人だと思っていました。
思えば、あの不快感は、元妻が他の男と楽しそうにおしゃべりしていることに対する、嫉妬だったのかもしれません。
ともかく、このような仕打ちを受けて、私の精神状態はボロボロでした。
妻と子供を同時に奪われた屈辱感、元妻が他の男を選んだという敗北感にさいなまれ、一日中神経衰弱状態です。
そんな中、離婚から3か月程度経ったある夏の日、突然体が寝床から起き上がらなくなりました。
仕事は休むことにしました。休暇ではなく休職です。家から出るのすら苦痛なのだから仕方がありません。
とても仕事を続けられる状況ではなく、後先考えずに休職しました。
診断書の病名は「うつ病」でした。いわゆる離婚後うつというやつです。
うつ病を患ったのは初めてでしたが、これがうつ病なのだと直感できました。
休職すればなんとかなるかと思いましたが、状況は悪くなる一方でした。
脳が虚無感で満たされ、今まで楽しめていた番組や、音楽や、旅行などにも興味がなくなり、ただ布団の上で生きながらえるだけの日々が始まったのです。
寝たきり状態なので、筋肉が衰え、買い物や食事へ出かけるのも一苦労でした。
このまま腹が減らなければ楽なのに、などという思いが脳裏をかすめます。
そして迎えた夏の終わり。
とうとう私は自殺未遂をしました。
自宅であるマンションの8階の手すりに足をかけたのです。
幸い、偶然帰ってきた隣室の住人にとがめられ、自殺には至りませんでしたが、この偶然がなければ、本当に飛び降りていました。
離婚後の辛さは時間が解決してくれます
自殺こそ未遂に終わりましたが、生きていくことに対する辛さは、その後も延々と続きました。
やがて9月に転勤と同時に復職し、どうにか以前の自分を取り戻してきたのが、同年11月頃です。
職場は川崎の工業地帯。男ばかりで、楽でした。
しばらくは、所かまわず離婚のエピソードを聞かせて回り、ひんしゅくを買っていました。
ただ不思議なもので、離婚後うつをわずらっていても、しばらく仕事から離れていると、精神自体は回復しているのです。
以前はカリカリしていたようなことでも、ぜんぜん腹が立ちません。
いかに自分が、結婚で消耗し、まともな精神を保っていられなかったかということを実感できました。
結婚と子育てはきれいごとではありません。一人暮らしでいるときより、数段精神が消耗します。
それでいて、周囲からの理解は得られづらいです。
やれ、周りはみんなうまく行っている、やれ、そんなに嫌なら離婚協議書にハンコを押さなければ、なんていう心無い声が、そこら中から聞こえてきました。
私の実の母親ですらその有様です。人を信じろなど、土台無理な話です。
それでも、時間が経つと徐々に平気になっていくものです。
人間、辛い記憶をすべて抱えて生きて行けるようにはできていません。
辛い記憶は、時と共に徐々にぼやけていくものです。
離婚から半年。大したことはしていませんでしたが、私はそうでした。抗うつ薬なんて意味がありませんでした。
離婚後うつを経験した私からあなたへ。死なないでください。
離婚後に死にかけた私からあなたへ、あえて言います。
たかが離婚したくらいで死のうとしないでください。
離婚したところで、あなたの人生はあなたのものです。
あなたの元妻のものでもなければ、あなたが生き別れた子供のものでもありません。
あなたの人生は、誰かの意志とは関係なく、連綿と続いていきます。
どうあがいても、自分の人生は自分で面白くしなくてはならないです。
ですが、面白くない時期、楽しめない時期というものが、必ず人生にはあります。
そんなどうしようもない時期に、自ら命を絶とうとしないでください。
それは一時の気の迷いです。半年たてば、死のうと言う思いも色あせてきます。
離婚はあなたがあなた自身の人生を取り戻したということです。
その凱旋の宴を楽しめとは言いませんが、絶対に自ら命を絶とうとしないでください。
離婚の絶望感はまやかしです。あなたの人生のすべてではありません。
願わくば、この記事を読んだあなたが、別れの虚無感から救われんことを祈ります。