インフレリスクとは何?預金って株より安全なんじゃないの?

預金が株より安全なのかについては、YesでありNoでもある、というのが本音です。

それよりも、どちらかというと、インフレ率も考慮した資産全体のバランスが重要です。

その理由について述べます。

インフレとは預金や現金をたくさん持っている人が損することです

中学生の社会で習いましたが、インフレについておさらいしましょうか。

「1個100円の缶ジュースがありました。10年後、1個100円の缶ジュースは値上がりし、1個120円になりました。これはインフレ、デフレ、どちらでしょうか?」

さっさと答えを書きますが、これはインフレです。物価と比べて、お金が安くなることを、インフレと言います。この場合、物価が20%上がるインフレになった、という解釈ができますよね。

それでは次の質問にいきましょう。

「10年前には1万円の借金がありましたが、モノの値段が上がって、10年前と比べて円の購買力が半分になりました。この場合、10年前と比べた実際の借金額はいくら相当になるでしょうか?」

答えは5千円です。額面が1万円で凍り付いているなら、モノの値段が上がった分だけ借金の実質価値も目減りします。これがインフレリスクです。

さて、インフレについて語りましたが、インフレで得する人と損する人がいます。

得する人は借金をしている人と、お金以外のモノを持っている人。損する人はお金を持っている人と、お金を貸している人。

このようにとらえて差し支えないのではないでしょうか?

預金している人は、インフレになると損します。

株式はインフレに強いと言われている

貨幣価値が下がると、株価はおおよそにおいて、上昇すると言われています。

貨幣価値が下がると、物価が上がって、企業の儲けが増える、というのが模範解答ですが、私としてはしっくりくる回答ではありませんでした。物価が上がると、企業の原価率(材料費や人件費含む)が上がるからです。

私が思うに、貨幣価値と物価の綱引きは「お金⇔それ以外」の総力戦だと思っています。お金か、そうでないか、ということです。

この理屈で考えると、株式は「お金じゃないモノ」に属します。

もちろん、株価は投資家心理を含めて複雑な要素を交えて決まるものですので、一概に言い切れないのですが、根源的に考えて、モノの価値が変わらずにお金の価値が下落すれば、単純にインフレになるのです。

つまり、株式の価値が変わらず、お金の価値が下がれば、株価は勝手に上がるのが理屈です。

株がインフレに強いとされているのは、株がお金ではなくモノに属するからなのです。

株式は突き詰めていくと、会社を分割したものです。キャッシュフローを無視すると、帳簿上は、資産(負債)の集合体です。

キャッシュフローまで吟味すると、議論が複雑化するのですが(株価は、現在と未来の価値を反映しているので)、私としては、会社はお金ではなく、モノ側に属するものと思っています。

預金一辺倒ってバランス悪いよね、というお話

冗長な本文となりましたが、私が株式投資をする理由は「預金100%の資産配分はバランスが悪いから」です。

まして、日本と言う国の財務状況は、2022年現在で、国家予算の10倍以上の借金を抱えている有様です。とてもマジメに返せる額ではありません。

となると、残されたのは預金封鎖かインフレくらいでしょう。

預金封鎖は政治的な反発が大きいので、やりたがる人はいません。私が政治家だったら、そんな末代まで祟られるような選択したくありません。

となるとインフレです。

前項でも述べましたが、インフレになると、借金している人は得します。借金の実質価値が減るのですから。しかも、バレにくく得します。

逆に、日本国が借金まみれということは、デフレにはしたくないんじゃないでしょうか?だって、借金の重みが増すのですから。

バブル期は金利が5%以上ありました。国債や銀行の長期金利データを見れば、すぐに調べられますよ。ヒストリカルデータというやつです。

いずれにせよ、超低金利の現代における預金100%って、時代錯誤なポートフォリオだと思いますよ。

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