離婚は苦しく辛いものですが、望んだ離婚か、そうでないかによって、離婚後の痛みが大きく異なります。
どちらかというと、男性のほうが離婚の傷を引きずると言われますが、私の場合はまさしくその典型でした。
この記事では、離婚後の男性の生活に焦点を当てて、その心情の変化についてまとめています。
なお、私自身が離婚から立ち直った方法については、次の記事に書きました。
望まぬ離婚ほど未練が強い
離婚の多くは、おおよそ次の3パターンに分かれます。
- 夫が離婚を望むパターン
- 妻が離婚を望むパターン
- 夫婦ともに離婚を望むパターン
お互いに不満をため込んだ結果の離婚だとしても、いざ別れるとなれば、夫婦どちらか一方が切り出すのではないでしょうか?
私の場合、妻から離婚を切り出されました。
この記事を書いているのが、離婚から9か月程度なので、もはやぼんやりとした記憶ですが、私が会社を休職した後、数か月で、子供を実家に連れて帰られたようです。
話し合おうとしても、まともな会話にならず、挙句の果てに「このままだと共倒れだから」と言われたことは、よく覚えています。
私はいわゆる、望まぬ離婚をしました。
このため、離婚後数か月は、非常に強い未練と後悔と絶望にさいなまれました。
一方、元妻はというと、実家の援助を受けながら、のびのびと育児と仕事をしているではありませんか。
特に妻側に不満があって離婚を切り出した場合、女性の切り替えの早さは目を見張るものがあります。
恋愛において、男は名前を付けて保存、女は上書き保存だなんて言いますが、まさしくその通り。
一方、私はというと、望まぬ離婚の痛手に、これから何か月も苦しむことになるのでした。
離婚後の男がどん底から立ち上がるには半年以上必要だった
結婚していた期間や、離婚理由、子供の有無など、100人100通りの離婚事情があります。
このため一概に言えないのですが、私が離婚後のどん底から、ほぼ完全に復活できたのは、離婚から半年ほど経ったころでした。
離婚直後は解放感があって意外と平気
離婚直後は解放感が手伝ってか、離婚直前よりも調子が上向きました。
好きな場所に好きなだけ行き、旅行も楽しめます。
人に話すときも、あまりショックを受けていなかったようで、拍子抜けされたこともありました。
離婚が実際身に降りかかったようなものと思えず、どこか夢の中の出来事ではないかと思う時期です。
離婚後2~3か月は離婚後うつを患うほど苦しくて死にたくなる
2か月程度経過すると、徐々に一人の部屋が居心地悪くなってきます。
それまでいたもの、あったものがなくなり、心にぽっかりと穴が開いたようでした。
このあたりから、離婚後うつのような症状が出始めます。
何もかもがおっくうになり、それまでできていた家事もおざなりになります。買い物も面倒、人に会うのも面倒、楽しみであったはずの趣味も無味乾燥とした味わいに変化します。やがて、すべてがどうでもよくなり、仕事や食事以外は、布団の上に寝転がる以外、まったくできなくなります。
例えるなら、人生が音を立てて壊れたような感覚でしょうか。あの時ああしていれば、こうしていれば、と無意味なことばかりが頭を支配し、離れません。なんとか夫婦関係を修復できないかと思うのもこの頃です。
ひどい日になると、希死念慮がムクムクと沸き上がり、生きているのが辛くなります。
離婚後2~3か月経った頃は、この世の地獄でした。
離婚後4~5か月はまだまだ辛い。それでも死にたいという気持ちは遠ざかった
離婚から4か月程度経つと、胸を刺すような痛みや、死にたいという、吐き気にも似た感情は、徐々になくなってきます。
それでも爪痕は大きく、時折何の前兆もなく、家族みんなで暮らしていたときのことがフラッシュバックします。
離婚前のことが夢に出てくることも、しばしばありました。朝起きて「ああ、そういえば離婚したんだっけ」と思い、自分自身が惨めになります。
私はこの頃、引っ越しがありましたが、新しい場所へ行けるという希望よりは、荷造りのめんどくささが勝っていたことを覚えています。
家族の思い出が詰まった家を出て、川崎の小さな1Kの部屋に越してくると、本当に自分が一人になった気持ちが強くなり、虚しさが心を満たしていました。
元妻が別の男性と交際しているとの情報をキャッチしたのも、この頃でした。
すでに離婚し、トラウマも落ち着いているはずなのに、心のどこかでモヤモヤが収まらないのは、まだ未練が残っていることの証拠だったのでしょう。
ちなみに、元妻は離婚後半年程度で、彼女の勤めていた会社の上司(注:SEでリモートワークなので引っ越し前と同じ会社に勤務)と婚約したそうです。
いくらなんでも早すぎないか?ひょっとして、自分との婚姻期間中、すでに彼と付き合いがあり、自分が邪魔になって離婚しようとしたのではないか?
せっかく調子が上向いてきた頃でしたが、そんなネガティブな感情を引きずって生きていました。
離婚後6~7か月経つと新しいことを始めようと思い始めた
離婚後半年。
引っ越しも終えて、一人の小さな部屋も片付いてきました。
本調子ではないですが、安定飛行が始まったという実感があります。
離婚した当初のことを思い出すことも少なくなり、なぜ離婚したのかという理由も、鮮明に思い出せなくなってきました。
月並みですが、時間が解決してくれるのだな、と痛感した出来事です。この半年「ただ死なずに生きること」しかしていなかったのですから。
このような具合ですので、何か新しいことを始めようという気になってきます。
私の場合は、再婚活でした。
二度と立てないような痛みなんて存在しない
体験談形式で書きましたが、振り返ってみると、本当に時間が経つと、どんなに深い傷でも癒えていくんだな、と改めて思いました。
離婚のトラウマは、家族を失う痛みに匹敵するほどのストレスだと言います。
一生のうち、そうそうないようなレベルのストレスだって、いつかはカサブタとなって剥がれ落ちます。
完全に治るころはありませんが、苦しかったその他大勢の記憶として、記憶に残るだけです。
それでも、今、痛みに苦しむあなたには、浜田省吾さんの唄を紹介します。
君を失った時に 手のひらから
世界も一緒に こぼれて落ちた(中略)
二度と立てぬ 痛手なのに
受け入れてく 不思議だ人は
追いつけない この悲しみ 後に残して浜田省吾、PAIN、1984年
悲しみは悲しみで消えることはないのですが、なんだかんだ、痛みは受け入れていくものです。
苦しかった記憶も、みじめな思い出も、やがて色あせていきますよ。
それが離婚という大きな傷だとしても。