今付き合っている相手や、これから付き合おうかと思っている相手が、あまり好みのタイプではない。
このまま付き合って、いずれは結婚するとして、別れずに暮らしていけるのだろうか?
そんなお悩みに経験者が答えます。
結論としては「好みでなくても大丈夫」です。
自分の好みほど、結婚においてアテにならない指標はないですよ。
大して好きじゃない人と結婚しても大丈夫な理由
私は一度離婚し、再婚しましたが、再婚相手はそこまで好きな相手ではありませんでした。
それでも今は、穏やかで満足な時間を過ごしています。
交際当初は「好きでもない相手とずっとやっていけるのだろうか」と心配しましたが、結果として杞憂でした。
その理由について振り返ってみます。
好きだった異性もいずれ好きでなくなる
好きではない相手と結婚してもいい理由。
一番大きな理由は「好きな相手も時が経つにつれて好きでなくなる」からです。
より正確に述べるなら「異性としての興味は時間と共に薄れていく」ということ。
これは一度結婚し、離婚を経験したからこそ断言できます。
愛が色あせることは、努力や工夫で超えられません。
恋人時代にどれだけ好みの異性を捕まえたと思っていても、恋愛には脳内物質による生理的な賞味期限があります。
かつて女として愛した人が、どんどん嫌悪すべき対象となっていくことは苦痛でした。
理想の恋人が、異性から同居人に変わるという現実は、結婚する前にこそ意識しておくべきでしょう。
一生一人の相手を好きでいることなんか不可能です。
それができる人は聖人君子か、見て見ぬふりをしてやり過ごしているにすぎません。
変わらないものがないのと同じだけ、変わらない思いなど幻想です。
人はそれを諸行無常と呼びます。
相手が異性として好みかどうか。
これは恋愛においては大事ですが、長い長い時間を共にすることとなる結婚では、さほど重要なファクターでもありません。
異性としての興味は失っても、家族としての愛に期限はないからです。
逆に、異性として好きであった相手でも、憎しみ愛、家族として過ごせなくなることは往々にありますよ。
好きじゃなかった相手は好きになることがある
好みの異性を一生好きでいられない一方、男女関係において、奥深さを感じるほどに面白いことがあります。
それが、初めは大して好きではなかった異性が、一緒に過ごすうちに大事な存在となっていることです。
私の再婚相手は、異性としての好みからまるで外れており(素直に言ったらさすがに怒られました)、交際当初は「その気にならなければ別れればいい」といった程度の熱量でした。
それが、一月、二月と共に過ごすうちに、気づけばかけがえがないほどの存在となっていたのです。
付き合っていく最中に、相手の良さに気づいたということもそうですが、根拠としてしっくりきたのは、次の二つの心理学的効果です。
- 単純接触効果 ⇒ 一緒にいる時間が長いほど相手に好意を持つようになる。
- 返報性の原理 ⇒ 相手から注がれる好意に対して応えたくなる。
一緒にいるほど好きになり、相手も自分のことを好きになってくれるから、その気持ちに応えたくなる。これです。
まるで取り柄のないように思える相手だって、人間としての魅力の一つや二つ備えています。
その点、せめて好意のかけらでもある相手なら、完全に好みでないにしても、一緒に過ごしていくうちに好感を覚えることもあるでしょう。
逆に、最初は好きだった相手でも、徐々に嫌なところが目に付くこともあります。
初めに好きであるかどうかは、結婚生活においては些末な問題で、結局一緒に暮らしてみないと、本当の相性はわからないものです。
これは離婚と再婚の両方を経験した私自身の経験からくる教訓でした。
結婚生活は大変だけど結婚しないと体験できないこともある
嫌いな人と結婚するのは大変なことですし、今日日すべきでもないと思います。
その代わり「すごく好きではないけどなんとなく好き」程度の感触なら、結婚したってじゅうぶん幸せになれます。
家族にならないとできないことって、たくさんありますよ。
伴侶がいれば、家で一緒にご飯を食べる相手ができますし、毒にも薬にもならないようなテレビ番組も楽しく見れます。
遅く帰ったとき、部屋に明かりが灯っていると、言いようのない安心感に包まれるでしょう。
子供ができれば、大人の立場から幼い頃の追体験ができます。
煩わしい面もありますが、親戚づきあいを通じて、たくさんの人と出会うこともできます。
恋人同士では体験できないことが、夫婦生活にはたくさん待っています。
それでも不安なら、結婚する前に、たくさん恋愛しておきませんか?
これ以上恋愛しなくてもいい、もう恋愛しつくした、という感情が芽生えれば、結婚と恋愛を切り離して考えることができるでしょう。
恋愛感情の落ち着いた夫婦関係もいいものです。
恋人は恋愛の熱が冷めれば別れますが、家族になれば一生一緒にいることだってできます。
恋人ではなく、新しい家族として暮らしていける人って尊いものですよ。