お酒が入るとついつい攻撃的になってしまったり、周りとケンカしてしまう人っていませんか?
もしくはそのような自覚、ありませんか?
口喧嘩で済むならまだしも、相手に対する身体的な攻撃は、犯罪として扱われることがあります。むしろそうあってしかるべきです。
この記事では、自分が酔って暴力事件を起こさないこと、巻き込まれないために何ができるかについてまとめました。
お酒は理性をマヒさせる
よく「お酒を飲むと本性が出る」と言います。
私としては、この言葉は半分正解で半分的を得ない言葉だと思っています。
なぜなら、理性によって欲望を抑え、人間らしく振る舞うのもその人の本性の一部だと思うからです。
ただ【本性=理性によって抑圧・制御されていた部分】とするならば、やはりお酒を飲むと本性が出ると言えるでしょう。
これは、アルコールが脳の理性をつかさどる部分をマヒさせるからです。
車で言うと、アクセルは効くけどブレーキが効かない状態になります。
理性でコントロールできていた言動が、酔うと制御できなくなるのはこういった事情からです。
アルコールは、脳レベルで人間を制御不能にするのです。
酔って暴力を振るわないためにできる三つのこと
さて、お酒が人間の理性を奪うと、普段は制御できていた攻撃性がヒトの表層に発現します。
そもそも人間をはじめとする動物には、本性として攻撃性が備わっているものですが、人間は社会性という枷で、普段は暴力的な行動を封じ込めています。
もしもアルコールが、理性で抑えていた攻撃性を檻から出してしまうなら、暴力という結果につながりやすくなるでしょう。
酔って暴力を振るわないようにするにはどうすればいいかについて考えてみましょう。
お酒でストレス発散しようとしないこと
ストレス解消のためにお酒を飲む。
これは一般的な行為と思われがちですが、暴力とアルコールという観点からは、最悪の組み合わせです。
お酒でストレス発散を試みる原因はなぜでしょうか?
それはもちろん「ストレスがたまっているから」です。
満員電車、仕事場、落ち着かない家庭。
ストレスフルな環境、あるいはストレスがたまっている状態でも、酔っていない状態なら、限度こそあれ我慢がききます。
人間は理性で本能をコントロールする生き物だからです。
しかし、ストレス源が存在し続ける限り、人にはストレスがたまり続けます。まるでマグマのように。
ここにお酒が入ると、抑圧されたストレスが暴力的な言動となって噴出する危険性が高くなります。
カッとなる、といいますが、アルコールで脳がマヒしていると、本当にカッとなりやすくなりませんか?
普段温厚な人でも、うっぷんのたまっているときにアルコールを飲むと、理性のブレーキがきかず、暴力沙汰に発展するおそれがあります。
アルコールで暴力的にならないために、まずはストレスをためないことが大事です。
それでもストレスが解消できないなら、イライラしているときや、うっぷんがたまっている時にはお酒を飲まないという選択を取りましょう。
酔ってからは正常な判断ができません。
あなたを守ってくれるのは、素面で下した判断だけなのです。
気の合わない人と飲まないこと
お酒を飲むのは普段一人という人でも、生きている限り誰かとお酒を酌み交わす機会はあります。
生まれてから死ぬまで、ただの一度も宴席に参加したことがない人のほうが稀でしょう。
さて、この飲み会の場ですが、こと日本に関して言うと、酔っ払いを野放しにしすぎだと感じております。
飲み会で酔うのは仕方がない、という風潮なのですが、酒は飲んでも飲まれるなという言葉もあります。
酒を飲んで人に迷惑をかけるような人は、酒飲み失格でもありますが、飲み会の席には様々な人がいます。
酔ってくだをまく人、説教臭くなる人、自分の話しかしない人。
中でも面倒なのが、怒りっぽくなる人です。
素面なら歯牙にもかけないような出来事でも、逆鱗に触れたかのような反応を示す人がいるのですが、このような人と飲むと暴力の連鎖が起きます。
巻き込まれれば、自分自身もタダではすみません。
自分も酔ってセーブが効かないから、同レベルの争いが起きてしまうのです。
酔って乱暴になる人や、自分と反りの合わない人は、自身の暴力を引き起こすトリガーになることを覚えておきましょう。
そもそも飲みすぎないこと
ストレスのたまった状態を回避しようとした。
気の合う仲間とだけ飲もうとした。
それでも、どうしても飲まなくてはいけない時があります。
皮肉なことですが、これも人間が社会的な生き物だからです。
そんな望まぬ状況で、暴力沙汰を避けるにはどうすればいいのでしょうか?
ここで思い起こしてみましょう。
アルコールにはそもそも暴力をふるいやすくさせる要素がいくつもあるのです。
- 気が大きくなる
- 攻撃的、暴力的になる
- 衝動が抑えにくくなる
しかし、酔わなければこれらの現象は起こりません。
お酒を飲むのは酔っ払うため、という固定観念を取り払って「飲んでも酔わない」程度の酒量にすることで、暴力に巻き込まれる危険性が下がります。
今日は何杯までと決める、何杯以上頼んだら周りの人に止めてもらう、など工夫はいくらでもできます。
私自身酒飲みであるがゆえに、酔わない程度に収めることの難しさは重々承知の上ですが、人生壊れるよりマシだと思えば、少しは抑止力が働くはずですよ。
酔っていてもいなくても暴力は人生を壊します
日本は酔っ払いに寛容な社会です。
同じだけ、酔っ払って起こした事件にも寛容です。
ですが、事件の場に居合わせた人々にとっては別問題です。
まして、酔って暴力事件を起こしたとなると、一気に周囲の見る目が変わってしまいます。
「酔っ払いさえしなければいい人」だなんてささやかれていませんか?
裏を返せば「酔っ払うととんでもない人」という意味ですよ。
モノに当たる、暴言を吐くといった、間接的な暴力も一緒のことです。
周りからの信頼をみるみる失うでしょう。
暴力によって失うものは、どれも大切なものばかりです。
結婚していれば配偶者、親であるなら子供、働いているなら仕事、大人であるなら娑婆の暮らし。
傷害は刑事事件です。懲役と前科が課せられる立派な犯罪です。
酔っていたで片づけたい気持ちはわかりますが、そこに一切の言い訳は通用しません。
私は若かりし頃、仕事でうまくいっていない時に職場の飲み会に参加し、酔っ払った同僚に絡まれてグラスを投げつけたことがあります。
幸い、グラスは彼を避けて壁に当たって粉々になりましたが、もしもグラスが同僚に命中していたなら、私の人生は一変してしまっていたかもしれません。
暴力の源であるストレスを断つ、暴力の引き金に近寄らない、そもそも酔うまで飲まない。
あなたの大切な人生を守るために、酔いが回っていない時にでも、一度考えてみてください。