人間が太るのは、自分の許容カロリーを超えて食べ過ぎるからに他なりません。
本来、適性カロリーだけ摂取していれば太らないのです。
腹八分で終わらせることができるなら苦労はないよ!
という声を受信しましたので、本稿を執筆しました。
人がお腹いっぱいでも食べ過ぎてしまう業について、いくつかの角度から検証してみましょう。
お腹いっぱいでも食べ過ぎてしまう原因について
満腹状態でも食べ物を前にすると「せっかくだから食べないと」「残してはいけない」と感じてしまう。
でもこれって変なことですよね?
腹いっぱいであるなら、本来食べなくてもいいのです。
なぜなら人は、腹いっぱいになるために食べるから。
ライオンだって、腹いっぱいの時には獲物が目の前を通っても襲わないというたとえ話もあるくらいです。
お腹がいっぱいでも、目の前に食べ物が並んでいると食べてしまうのは、人間らしさの象徴ですが、ダイエッターの敵でもあります。
その原因について模索してみました。
目の前にたくさんの食事が並んでいるから
宴会のコース料理やビュッフェなどで、目の前に豪華な料理が並んでいると、ついつい食べ過ぎてしまいませんか?
満腹なのにもう一つ、ということを経験したこともあるでしょう。
これには、いくつか複合的な心理が働いていると思われます。
- これを逃すと次にいつ同じものを食べられるかわからない。
- せっかく料金を支払ったのだから値段分食べたい。
- 目の前の料理を残すのがもったいない。
まして日本は「MOTTAINAI」文化の発信地です。
フードロス問題には、世界一敏感かもしれません。
目の前に許容量以上の食べ物が並んでいても、残してはいけないという心理から食べ続けてしまうということもあるでしょう。
ダイエット中はたくさんの食べ物に包囲されないよう注意したいものです。
食事に自分以外の意思が働くから
一人暮らしを経験した人ならわかるかと思いますが、誰かと暮らしているときは、自分の食べたいものばかり食べることはできません。
これは、家族と離れて一人で暮らしているからこそわかることです。
食べたいものばかり食べられないということは、食べたくないものを食べる機会ができるということでもあります。
いわゆる付き合いというやつです。
家族、友達、同僚。
家出の食事や外での食事会。彼ら彼女らの食べたいものに引きずられ、意図せぬカロリーを摂取していませんか?
一人だけ食べないわけにもいかないし、割り勘なのに自分の取り分が少ないのも納得いかない。
何より、人との食事は楽しい。
こうした事情から、他人と食事をすると、やはり余分な食べ物を口にすることが増えてきます。
食事でストレス発散しているから
食事はえてして、快感と結び付けられることが多いです。
それもそのはず、食事が快感でなければ、食料を得ようとするモチベーションなど半減してしまいます。
そうなれば、動物が生きていけるはずがありません。
ところがこの食事の快感、ストレスの代償として消費されることが多々あります。
やけ食い、ドカ食い、自分へのご褒美。
人間割に合わない思いをしたとき、何かでその無念が晴らされることを願ってしまいます。
これが食事に向いてしまうと、言うまでもなくダイエットの障害となります。
報われない思いのはけ口として食事が使われると、腹八分の習慣は遠のくでしょう。
口寂しくなってしまうから
口寂しさという言葉があります。
何かを口に入れていなければ物足りなくなるという感情のことですが、これが意外と厄介なものです。
口さみしさの行き先が、カロリーのないものに向かえばいいのですが、砂糖や植物性油脂をたっぷり含んだお菓子に向かうと、さあ大変です。
お菓子類は、気軽につまみやすいわりに栄養がなく、カロリーは高めです。
更に満腹感に乏しいため、気づけば多くの量を摂取しがちとなります。
やっと満腹感を得たころには、ゆうに一食分の食事相応のカロリーを摂取していた、なんていうこともザラでしょう。
口寂しさ自体は仕方がないのですが、カロリーのない飲み物などで代用できると、うまく付き合っていけるはずです。
ちなみに私は、口寂しさを白湯とコーヒーで日々紛らしていますよ。
食品の栄養やカロリーについての知識が乏しいから
これは特に、自分で料理を作ったことのない人に多いかもしれません。
厳密には「自分の食べる物を自分で決めてきた経験のない人」です。
子供や、実家暮らしで食事を家族に任せていた人などはそうなりますよね。
学校の授業で習った方も多いかと思いますが、食品には栄養というものがあります。
栄養と呼ばれるものの中には、カロリーになるものとならないものがありますが、この知識がないと、どれだけカロリーを摂ったのかわからなくなります。
カロリー源となる栄養は主に次の三種類です。
- 炭水化物
- タンパク質
- 脂質
日々の食事で、どの食品がどれだけの栄養素を持っていて、なんとなくどれくらいのカロリーを持っているのか、ちゃんと把握していますか?
もし知らないというのなら、やはり食べ過ぎの元になります。
何せ、どれだけカロリーを摂取したのか計算ができないのですから。
大まかにでも、どの食べ物にどれだけカロリーがあるのか、ちゃんと勉強しましょう。
なお、栄養とは呼べませんが、アルコールもカロリー源になりますので覚えておきましょう。
そもそも自分の適正カロリーがわかっていないから
カロリーとは広義においては熱源のことです。
熱を生み出す源として使われるのが、カロリーという単位なのです。
人間も車と同じように、結局は熱を動力にしているわけですね。その熱を生み出すのが食事というわけです。
前項と関連してきますが、食べ過ぎる人は、そもそも自分の体にとって、どれだけのカロリーがあればいいのかわかっていないケースもあります。
「足るを知る」とはよく言ったもので、体の満足するラインを知らないと、当然食べ過ぎにも気づきません。
適性となる基準を知らないのだから、わかるはずがないですよね。
体重や筋肉量などによって個人差はありますが、運動をしなくなった成人男子では2,300kcal、女性では1,700kcal程度だとされています。
これより摂取カロリーが下回れば痩せ、上回れば太ります。
単純な図式ですが、適性値を知らなければ簡単に太ることを覚えておきましょう。
食べ過ぎの原因を繋ぎ合わせれば腹八分でも納得できるはず
何事にも原因があるように、食べ過ぎにも原因があります。
お腹いっぱいの状態を超えてまで食べ過ぎるのには、様々な要因があることがお分かりいただけたでしょうか?
ボトルネックがわかれば、一つずつ対処していくことで、食べ過ぎを防ぐことはじゅうぶん可能です。
まずは、自身の食べ過ぎの原因がどこにあるのか突き止めたうえで、日々の生活に臨むべきでしょう。
それがあるべき暮らしの形なのです。